募金取り(Charity Extractor)はカードセット「灯争大戦」収録のクリーチャー・カード。
フレイバー・テキストで何かおかしいぞと引っ掛かりを覚えたカードをピックアップする。
募金取りの解説
“War or no war, your donations are due, as always.”
「戦争であろうとなかろうと、支払い期限はいつも通りだ。」
引用:募金取り(Charity Extractor)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版
募金取り(Charity Extractor)はラヴニカ次元オルゾフ組の騎士である。
「募金取り」と訳されているカード名は、「Charity(慈善行為・施し物)」+「Extractor(取り出す者・引き出す者)」から成る名称で、「Charity Extractor(慈善行為・施し物をむしり取る者)」くらいの意味合いだ。この名前通りに、ニコル・ボーラス(Nicol Bolas)の侵略戦争があろうがなかろうが、慈善や施しを引き出させてむしり取っていくのだ。
想像するにこんな感じか。「寄付はやって当然のものですよね、人として。あなたは寄付しないんですか?この度、戦災に遭った不幸な人に施そうとは思わないのですか?」…とそんな雰囲気で相手の罪の意識を植えつけて、寄付をさせるのだろう。
募金取りのフレイバー・テキスト
“War or no war, your donations are due, as always.”
「戦争であろうとなかろうと、支払い期限はいつも通りだ。」
フレイバー・テキストの和訳製品版は、原文とかなり意味を書き換えられてしまっている。「your donations are due」の部分が問題だ。
「due」は形容詞で「支払い期限が来た」「満期の」という意味合いで解釈されている。だが、「donations」は「寄進物」「寄付金」なので、それに支払期限があるというのもおかしな話になる。ラヴニカの金融機構を司るオルゾフ組は、非情な銭ゲバであったとしても、無法な略奪者ではありはしないのだから、不合理だ。オルゾフは合法的に(違法すれすれで)搾取するべきだ。
そこで「due」の別の意味「当然支払われるべきもの」で解釈してみよう。「your donations are due」は「寄付はして当然のものだ」くらいに読むことができる。そうなると文全体はこう訳せる。
戦争があろうとなかろうと、寄付はやって当然のものだ、いついかなる時もな。
これなら、カード名の「Charity Extractor(慈善行為・施し物をむしり取る者)」とも何の食い違いもなくなる。
募金取りのイラスト背景
募金取りのカード・イラストを注意深く観察すると、オルゾフ的な建物の奥に王神の立像(God-Pharaoh’s Statue)に似たシルエットがぼんやりと描かれている。王神の立像のカード・イラストとはポーズが違うのだが、他に該当するようなランドマークがないため、これはおそらく王神の立像である(立像の細部で微妙に食い違いが認められるカードは他にもある)。
王神の立像の登場するカード
王神の立像(God-Pharaoh’s Statue)は立像崩し(Topple the Statue)で倒壊する。カードセット「灯争大戦」のカードの中には、倒壊する前の起立した王神の立像が背景に描かれているものがある。
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