エルドレイン:ファイレクシア侵略戦争その1

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新カードセット「エルドレインの森」が間近に迫って来たので、新ファイレクシア侵略戦争を振り返って、エルドレイン次元のおさらいをしよう。

追記(2023年8月25日):カードセット「機械兵団の進軍」の統率者デッキの諸カードを見落としていたため、記事内に差し込んだ。

エルドレインのファイレクシア侵略戦争

エルドレインへの侵攻(Invasion of Eldraine)(一部拡大図)

AR4562年、新ファイレクシアは数多の次元に対して侵略戦争を仕掛け、破壊と死と悲劇をもたらし、そして敗退した。エルドレイン次元も新ファイレクシアの魔手が伸びた次元の1つである。

エルドレインにおける侵略戦争と戦後の状況は、カードセット「機械兵団の進軍」、カードセット「機械兵団の進軍:決戦の後に」およびカードセット「エルドレインの森」の各種カードで描かれている。

本記事では、新ファイレクシア侵略戦争と戦後のエルドレイン次元関連カードを概ね時系列純に取り上げる。



侵略戦争の4段階

エルドレイン次元での侵略戦争は、大まかに4段階に分けられると考え、本サイトでは以下のように区分している。

第1段階:王国の戦い

まずファイレクシア侵略戦争の第1段階は「王国の戦い」だ。王国の各騎士団は勇敢かつ忠実に侵略者に立ち向かったものの、5つの宮廷は1つまた1つと陥落し、王国を束ねるケンリス王とリンデル女王も戦死してしまった。王国が敗退しただけに留まらず、多くの騎士がファイレクシアンとして完成化されて、敵の先兵となった。

第1段階は本記事で取り扱う。

第2段階:僻境の戦い

第2段階は「僻境の戦い」である。王国が失われたため、僻境のフェイ(フェアリー)や巨人、ドワーフ、エルフ、マーフォークなどの種族やその他の童話的な生き物が侵略の脅威に直面することになった。フェイたちは、僻境の魔法的な性質を利用した罠とゲリラ戦術を駆使して、ファイレクシア侵略軍に対抗した。

第2段階は次回その2で扱う予定だ。

第3段階:忌まわしき眠り

第3段階は「忌まわしき眠り」だ。フェイの王タリオンが三魔女姉妹と協力して大魔法をかけ、ファイレクシアンを永遠の眠りに落とすことで無力化に成功したのである。この「忌まわしき眠り」の魔法によって、エルドレインはファイレクシア侵略軍を撃退したのである。

第3段階はその3で扱う予定だ。

第4段階:戦後

第4段階は新ファイレクシア侵略戦争が終結した「戦後」である。カードセット「機械兵団の進軍:決戦の後に」が直接扱っている範囲であり、カードセット「機械兵団の進軍」とカードセット「エルドレインの森」の間に起こっていたすべてが含まれる。

第4段階は最終回その4で扱う予定だ。

侵攻開始

侵攻開始(Begin the Invasion)

侵攻開始(Begin the Invasion)
データベースGathererより引用

侵攻開始(Begin the Invasion)は、カードセット「機械兵団の進軍」の統率者デッキに収録されたソーサリー・カードである。

新ファイレクシアの次元越境侵略の開戦を象徴的に表現している。イラストでは5つの侵略される次元が描かれており、一番右がエルドレイン次元だ。ロークスワイン城のシルエットが確認できる。

残り4次元は右から順に、カルドハイム、カラデシュ、カペナ、神河だ(エルドレインを除いて頭が「カ」で始まっているのは偶然だろう)。

侵略戦争の第1段階:王国の戦い

では、本記事では新ファイレクシア侵略戦争の第1段階でどのような出来事が発生していたのかを確認していこう。

AR4562年、エルドレイン次元に侵攻を開始した新ファイレクシアは、王国(The Realm)の5宮廷と戦争状態に突入した。

次の節からは、白の宮廷アーデンベイル、青のヴァントレス、黒のロークスワイン、赤のエンバレス、緑のギャレンブリグ、これら5宮廷を色の順に見ていくことになる。

白の宮廷アーデンベイル

エルドレインの王国、白の宮廷がアーデンベイル(Ardenvale)だ。

侵略戦争勃発前のアーデンベイルとケンリス王家の情報は、個別記事にまとめてあるのでそちらを参照のこと。

ケンリス王家

帰還した王、ケンリス(Kenrith, the Returned King)

帰還した王、ケンリス(Kenrith, the Returned King)
データベースGathererより引用

帰還した王、ケンリス(Kenrith, the Returned King)は、カードセット「機械兵団の進軍」の「多元宇宙の伝説」という特別枠として再録された伝説のクリーチャー・カードである。

新規イラストのケンリス王は、鹿の角飾り付きの兜を被り、ファイレクシア兵2体を1人で相手取って斬り伏せている。

不動の女王、リンデン(Linden, the Steadfast Queen)

不動の女王、リンデン(Linden, the Steadfast Queen)
データベースGathererより引用

カードセット「エルドレインの森」の連載ストーリー第1話によれば、ケンリス王とリンデン女王はファイレクシアの巨獣1との戦いで家族を守って斃れ、アーデンベイル城は廃墟となっている。ローアンとウィルは両親から妹と弟を託された後、2人の最期をその目に焼き付けた。

王家の跡継ぎ(The Royal Scions)

王家の跡継ぎ(The Royal Scions)
データベースGathererより引用

また、同じく連載ストーリー第1話において、ウィルが侵略戦争時にどこに居て何をしていた、戦場には居なかったなと問われ誹られる場面がある。それに対して、ローアンが戦場ではなく城内で自分たちの戦いを繰り広げていたと心中で独白していた。これはアーデンベイル城内での戦いを意味しているのだろうが、では城の陥落後、更に王国の崩壊後はどうしていたのか?どうやらケンリス家の双子は、戦争中に記録に残る様な目立った活躍を残せていないし、王国民に王の後継者と認めさせるに足る実績を挙げられなかった、ということになるだろう。

ローアンの才能

ローアンの才能(Rowan's Talent)

ローアンの才能(Rowan’s Talent)
データベースGathererより引用

ローアンの才能(Rowan’s Talent)は、カードセット「機械兵団の進軍」の統率者デッキに収録されたエンチャント・カードである。

侵略戦争中のローアン・ケンリス(Rowan Kenrith)に言及する唯一のカードである。

騎士の団結

“I dub thee Syr Hellraker. For now.”
「貴様を地獄掻き卿と呼ぼう。少なくとも今のところはな。」
引用:騎士の団結(Chivalric Alliance)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版

騎士の団結(Chivalric Alliance)

騎士の団結(Chivalric Alliance)
データベースGathererより引用

騎士の団結(Chivalric Alliance)は、カードセット「機械兵団の進軍」の統率者デッキに収録されたエンチャント・カードである。

イラストとフレイバー・テキストでは、アーデンベイル騎士がドラゴンに地獄掻き卿(Syr Hellraker)と名付けて、一時的な共闘を取りつけている。次元外からの侵略者には、エルドレインに住む者が一致団結して戦わねばならないのだ。

青の宮廷ヴァントレス

エルドレインの王国、青の宮廷がヴァントレス(Vantress)だ。

侵略戦争勃発前のヴァントレスの情報は個別記事にまとめてあるのでそちらを参照のこと。

広がりゆく海

“Hasty efforts to defend Castle Vantress left in more moat than castle.”
–Last Stand of the Realm
「大急ぎでヴァントレス城の防衛に取り組んだ結果、それは城よりもむしろ水濠となった。」
–「王国の最後の抵抗」
引用:広がりゆく海(Spreading Seas)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版

広がりゆく海(Spreading Seas)

広がりゆく海(Spreading Seas)
公式カードギャラリーより引用

広がりゆく海(Spreading Seas)は、カードセット「エルドレインの森」でおとぎ話版という特別枠で再録されたエンチャント・カードである。

このカード名は「海」となっているものの、ヴェントレス城の所在地は正確には「海」ではなく「メア湖(Lochmere)」である。

フレイバー・テキストは「王国の最後の抵抗(Last Stand of the Realm)」で、侵略戦争時のヴァントレス城が大急ぎで防衛態勢を整えようとしていた様子が伺える。

鏡の騎士団

The Magic Mirror of Vantress showed Catrina a twisted vision of black oil and bloody machines.
ヴァントレスの魔法の鏡はカトリーナに、黒い油と血濡れの機械の歪んだ幻影を見せた。
引用:鏡の騎士団(Order of the Mirror)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版

鏡の騎士団(Order of the Mirror)

鏡の騎士団(Order of the Mirror)
データベースGathererより引用

鏡の騎士団(Order of the Mirror)はカードセット「機械兵団の進軍」に収録されたクリーチャー・カードである。両面カードであり、裏面はファイレクシアに改造された姿となっている。

フレイバー・テキストとイラストによれば、鏡の騎士団は王国の青の宮廷、ヴァントレスの騎士たちである。魔法の鏡インドレロンは騎士に、来るべきファイレクシアの侵略を幻影として見せていた。イラストの女性騎士の名がカトリーナ(Catrina)であろうか。

雪花石の徒党の騎士団

Soon she understood that it was not the vision that had been twisted, but her own mind.
彼女はじきに悟ることとなった。歪んでいるのは幻影の方ではなく、自分の心そのものだと。
引用:雪花石の徒党の騎士団(Order of the Alabaster Host)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版

雪花石の徒党の騎士団(Order of the Alabaster Host)

雪花石の徒党の騎士団(Order of the Alabaster Host)
データベースGathererより引用

雪花石の徒党の騎士団(Order of the Alabaster Host)は、ファイレクシアに堕とされた鏡の騎士団(Order of the Mirror)である。

雪花石の徒党とは、新ファイレクシア侵略軍でも白陣営に属する軍隊だ。このカードのヴァントレス騎士は、白陣営の手でファイレクシア化したことで、白青の2色カードとなったのだ。

黒の宮廷ロークスワイン

エルドレインの王国、黒の宮廷がロークスワイン(Locthwain)だ。

侵略戦争勃発前のロークスワインの情報は個別記事にまとめてあるのでそちらを参照のこと。

ファイレクシアの非生

“While the realm’s great minds quarreled over the strange eclipse, Locthwain fell to the invaders”
–Last Stand of the Realm
「王国の偉大なる賢人たちがこの奇妙な日蝕について論争している間に、ロークスワインは侵略者の前に陥落した。」
–「王国の最後の抵抗」
引用:ファイレクシアの非生(Phyrexian Unlife)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版

ファイレクシアの非生(Phyrexian Unlife)

ファイレクシアの非生(Phyrexian Unlife)
公式カードギャラリーより引用

ファイレクシアの非生(Phyrexian Unlife)は、カードセット「エルドレインの森」でおとぎ話版という特別枠で再録されたエンチャント・カードである。

フレイバー・テキストは「王国の最後の抵抗(Last Stand of the Realm)」で、エルドレインの王国側の正しい対処が出遅れたためにロークスワインが陥落したことが分かる。まあ、別世界からの次元越境侵攻なんて想定に入れて行動できた次元なんて、エルドレインだけでなかったろうし、おそらくこっちの方が多数派であっただろう。

王国の未亡人、アヤーラ

王国の未亡人、アヤーラ(Ayara, Widow of the Realm)

王国の未亡人、アヤーラ(Ayara, Widow of the Realm)
データベースGathererより引用

王国の未亡人、アヤーラ(Ayara, Widow of the Realm)はカードセット「機械兵団の進軍」に収録された伝説のクリーチャー・カードである。両面カードであり、裏面はファイレクシアに改造された姿となっている。

アヤーラは王国5宮廷の1つ、ロークスワインのエルフ女王である。アヤーラの騎士団は新ファイレクシアの侵攻に立ち向かうも敗れ、空飛ぶロークスワイン城も陥落し地に落とされてしまった。

炉の女王、アヤーラ

Ayara cherished her new machine servitors just as much as she once did her many suitors: not at all.
アヤーラは新たな機械の下僕を、かつての大勢の従者と同じように扱った。つまり、ろくな扱いをしなかった。
引用:炉の女王、アヤーラ(Ayara, Furnace Queen)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版

炉の女王、アヤーラ(Ayara, Furnace Queen)

炉の女王、アヤーラ(Ayara, Furnace Queen)
データベースGathererより引用

炉の女王、アヤーラ(Ayara, Furnace Queen)は、ファイレクシアンに堕とされたアヤーラのカード化である。

イラストと見ると、新ファイレクシアの赤陣営の軍門に下ったため、アヤーラの姿は漆黒の金属外皮とその隙間から噴き出す炎という異形に変貌してしまっている。彼女の周囲は陥落したロークスワイン城だ。

炉の女王、アヤーラのフレイバー・テキスト

炉の女王、アヤーラはフレイバー・テキストの和訳が明らかにおかしい。

和訳製品版で「従者」と訳されている「suitor」は「求婚者」である。

アヤーラという女性は「彼女の愛を求めて数えきれない求婚者が現れたが誰もが命を落としてしまった」という背景を持たされている。ロークスワインの秘宝「永遠の大釜(The Cauldron of Eternity)」は宮廷から失われて久しく、それを見つけ出し持ち帰ることがアヤーラが求婚者に求める条件である。しかし、長命種族エルフの長い人生において、アヤーラの求婚者の誰1人としてこの試練を達成して生還できなかったのだ。

また、和訳製品版の「ろくな扱いをしなかった」という解釈にも私は首を傾げてしまう。求婚者を送り出し死なせてしまったという結果があるとはいえ、これでは「全く大事にしなかった」と読めてしまう。原文では「cherished」つまり「大事にした・可愛がった」とあり、ここに皮肉も込められていると感じはするものの、直接的・断定的な言い方はしていないのである。

アヤーラは新たな機械の従僕たちを、かつての大勢の求婚者たちと同じように可愛がった。相も変わらずに。

アヤーラの背景設定を顧慮に入れて訳すと、こんな感じになるだろう。

エルドレインへの侵攻

エルドレインへの侵攻(Invasion of Eldraine)

エルドレインへの侵攻(Invasion of Eldraine)
データベースGathererより引用

エルドレインへの侵攻(Invasion of Eldraine)はカードセット「機械兵団の進軍」に収録されたバトル・カードである。裏面がとげ刺しフェアリー(Prickle Faeries)だ。

このカードは新ファイレクシア侵略軍によるエルドレイン次元への侵攻を表現している。

エルドレインへの侵攻(Invasion of Eldraine)(一部拡大図)

イラストの背景には、墜落してファイレクシア化されたロークスワイン城がそびえ立っている。そして、完成化された元ロークスワイン騎士2の軍勢が隊列を組んで、僻境へと進軍しており、フェアリーやエルフ、ドワーフら僻境の住人が待ち構えている。

ロークスワインの槍騎兵

For years she believed persistence meant hunting for the Cauldron of Eternity. Now she knew it meant never giving up the fight against a world gone mad.
何年もの間、彼女は永遠の大釜を探すことに執念を燃やしていた。今は、その執念は狂ってしまった世界に抗い続けるために燃やすものだと悟った。
引用:ロークスワインの槍騎兵(Locthwain Lancer)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版

ロークスワインの槍騎兵(Locthwain Lancer)

ロークスワインの槍騎兵(Locthwain Lancer)
データベースGathererより引用

ロークスワインの槍騎兵(Locthwain Lancer)は、カードセット「機械兵団の進軍」の統率者デッキに収録されたクリーチャー・カードである。

この騎士はロークスワインの美徳「執念」の真なる目的は、侵略者によって狂った世界を正すことだと奮起している。本拠地が陥落し、女王は改造されて敵司令官となってしまった。果たしてこの気高き騎士は侵略戦争を生き延びられるのだろうか?

赤の宮廷エンバレス

エルドレインの王国、赤の宮廷がエンバレス(Embereth)だ。

侵略戦争勃発前のエンバレスの情報は個別記事にまとめてあるのでそちらを参照のこと。

追い討ち

“The knights of Embereth fought with the fire of the Irencrag in their hearts. Though many fell, not a single one retreated. ”
–Last Stand of the Realm
「エンバレスの騎士たちは、その胸にアイレンクラッグの炎を宿して戦った。数多の兵が斃れたが、ただの一人も退くことはなかった。」
–「王国の最後の抵抗」
引用:追い討ち(Aggravated Assault)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版

追い討ち(Aggravated Assault)

追い討ち(Aggravated Assault)
公式カードギャラリーより引用

追い討ち(Aggravated Assault)は、カードセット「エルドレインの森」でおとぎ話版という特別枠で再録されたエンチャント・カードである。

フレイバー・テキストは「王国の最後の抵抗(Last Stand of the Realm)」で、エンバレス騎士が決して退くことなく雄々しく戦い散ったことが読み取れる。

焦熱の解放

“Mighty Torbran struck the invading phalanx like a bolt from the heavens. When the light faded, only ash remained around him.”
–Last Stand of the Realm
「剛力トーブランは、侵略者たちを天から放たれる雷撃のように打ち砕いた。光が止んだとき、彼の周りにはただ灰が残っているだけだった。」
–「王国の最後の抵抗」
引用:焦熱の解放(Fiery Emancipation)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版

焦熱の解放(Fiery Emancipation)

焦熱の解放(Fiery Emancipation)
公式カードギャラリーより引用

焦熱の解放(Fiery Emancipation)は、カードセット「エルドレインの森」でおとぎ話版という特別枠で再録されたエンチャント・カードである。

フレイバー・テキストは「王国の最後の抵抗(Last Stand of the Realm)」で、ドワーフのトーブランが戦場で獅子奮迅の活躍をするさまが語られている。「王国の最後の抵抗」ということはまだ王国は一応は存在していると考えられるので、この場面よりも後にトーブランはエッジウォールに行き、ランクルと組むことになる。

紅蓮鎚、イモデーン

紅蓮鎚、イモデーン(Imodane, the Pyrohammer)

紅蓮鎚、イモデーン(Imodane, the Pyrohammer)
公式カードギャラリーより引用

紅蓮鎚、イモデーン(Imodane, the Pyrohammer)は、カードセット「エルドレインの森」に収録された伝説のクリーチャー・カードである。人間女性。

イモデーン卿は、侵略戦争を生き永らえたエンバレスの騎士だ。かつては気高く善良な人物であったが、ファイレクシアとの戦いで左腕を奪われ、戦後には山賊まがいの親玉にまで落ちぶれてしまう。イモデーンはファイレクシアに本来の自分と人生を滅茶苦茶にされてしまった。

緑の宮廷ギャレンブリグ

エルドレインの王国、緑の宮廷がギャレンブリグ(Garenbrig)だ。

侵略戦争勃発前のギャレンブリグの情報は個別記事にまとめてあるのでそちらを参照のこと。

ギャレンブリグの領主、ヨルヴォ

ギャレンブリグの領主、ヨルヴォ(Yorvo, Lord of Garenbrig)

ギャレンブリグの領主、ヨルヴォ(Yorvo, Lord of Garenbrig)
データベースGathererより引用

侵略戦争中のギャレンブリグの情報は現時点では極めて少ない。

カードセット「エルドレインの森」の連載ストーリー第3話によれば、ギャレンブリグの領主、ヨルヴォ(Yorvo, Lord of Garenbrig)が侵略戦争中にギャレンブリグから姿を消した、と言われていた。ただし、これは戦争の影響を受けないほど辺境に住んでいたケランが伝聞で知っていた情報であり、正確性に大いに疑問が残ることには留意しておきたい。

虹色の前兆

“There would be time later to mourn the lost, to weep for their fallen homes and lost treasures. But for now, they breathed in the untainted air and allowed themselves to hope again.”
–Last Stand of the Realm
「死んだ者を悼み、倒れた家や失った財宝に涙流す時間はいずれ来る。だが今この時は、彼らは再び希望を抱くため、穢れなき空気を吸いこんだ。」
–「王国の最後の抵抗」
引用:虹色の前兆(Prismatic Omen)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版

虹色の前兆(Prismatic Omen)

虹色の前兆(Prismatic Omen)
公式カードギャラリーより引用

虹色の前兆(Prismatic Omen)は、カードセット「エルドレインの森」でおとぎ話版という特別枠で再録されたエンチャント・カードである。

フレイバー・テキストは「王国の最後の抵抗(Last Stand of the Realm)」で、侵攻によって痛めつけられた人々が森へと避難していく姿が描かれている。王国5宮廷が敗退し、行き場を失った民は僻境の他にもう逃げ場が無くなってしまったのだろう。

これはギャレンブリグに関するカードではないが、同じ緑のカードであるためここに置くことにした。



さいごに

エルドレイン次元の侵略戦争を整理するシリーズその1を書き上げてみた。エルドレインを見直してみると、やっぱり私が好みの世界だなと再確認できた。

侵略戦争で滅茶苦茶に荒らされてしまったが、エルドレインは再建されるに違いない。ああカードセット「エルドレインの森」が待ち遠しい。

では、今回はここまで。

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エルドレインの王権
マジック・ザ・ギャザリング(MTG)のカードセット「エルドレインの王権(Throne of Eldraine)」収録のカードの中からピックアップしてストーリーや設定を解説する。

カードセット「エルドレインの森」連載ストーリー雑感

エルドレインの森:連載ストーリー第1話の雑感
カードセット「エルドレインの森」の第1話「Episode 1: Pure of Heart(邦題:第1話 純なる心)」の雑感。
エルドレインの森:連載ストーリー第2話の雑感
カードセット「エルドレインの森」の第2話「Episode 2: Wandering Knight, Budding Hero(邦題:第2話 流浪の騎士、新米英雄)」の雑感。
エルドレインの森:連載ストーリー第3話の雑感
カードセット「エルドレインの森」の第3話「Episode 3: Two Great Banquets(邦題:第3話 二つのもてなし)」の雑感。
エルドレインの森:連載ストーリー第4話の雑感
カードセット「エルドレインの森」の第4話「Episode 4: Ruby and the Frozen Heart(邦題:第4話 ルビーと凍てついた心)」の雑感。
  1. 原文「the Phyrexian behemoth」
  2. 黒光りした全身を覆う完全鎧、それに蛙口の兜は、明らかにロークスワイン騎士の特徴である