王神の立像(God-Pharaoh’s Statue)はカードセット「灯争大戦」収録の伝説のアーティファクト・カードである。
フレイバー・テキストで何かおかしいぞと引っ掛かりを覚えたカードをピックアップする。
王神の立像の解説
A dictator’s infuriating smirk, an affront to everything Ravnica stood for.
独裁者の腹立たしい笑顔。ラヴニカが耐えてきたものすべてに対する侮辱。
引用:王神の立像(God-Pharaoh’s Statue)のフレイバー・テキスト
上が英語原文。下が和訳製品版
王神の立像(God-Pharaoh’s Statue)はプレインズウォーカー「ニコル・ボーラス(Nicol Bolas)」の等身大の立像である。
このカードは灯争大戦のストーリー「第一幕第?場(Act1, Scene?)」を表すカードである(WAR Story Scenes参照)。第一幕の注目のストーリーカードであるにも関わらずどこにも分類されなかった。小説の進行に則れば、ストーリー第一幕第一場に当てはまる。
アモンケット次元で王神として信仰されるボーラスの立像が、ラヴニカ次元への侵略時に出現した。
この立像は数々のカードで(主にイラストの背景として)描かれている(下記参照)。灯争大戦のストーリー「第二幕第八場(Act2, Scene8)」において、ニッサ(Nissa)が目覚めさせた「ヴィトゥ=ガジー(Vitu-Ghazi)」によって崩されてしまうまで威圧的な存在感を示していた。
王神の立像のフレイバー・テキスト
A dictator’s infuriating smirk, an affront to everything Ravnica stood for.
独裁者の腹立たしい笑顔。ラヴニカが耐えてきたものすべてに対する侮辱。
和訳製品版フレイバー・テキストは内容的に灯争大戦の状況にそぐわない。
「ラヴニカが耐えてきたもの」とは何だろう?灯争大戦の設定では、ラヴニカはニコル・ボーラス(Nicol Bolas)による侵略軍に苦しめられているので、ここは当然、「ボーラスの行う諸々の侵略行為」がラヴニカが耐える対象だろう。だが、和訳フレイバー・テキストの文章後半「ラヴニカが耐えてきたものすべてに対する侮辱。」が意味不明になってしまう。ボーラスの侵略行為すべてに対する侮辱が、ボーラスの立像となるからだ。
そこで原文を調べる。「stand for」の意味は「(通常は否定文で)我慢する・耐える」もあるが、「表す・象徴する」も含んでいる。この文章では後者の意で解釈するとスッキリ意味が通りそうだ。
独裁者の腹立たしい笑顔。ラヴニカが象徴してきたものすべてに対する侮辱。
ラヴニカの自由と独立を侵す独裁者ボーラスに対するなら、こちらの方が自然で説得力がある。
王神の立像の登場するカード
カードセット「灯争大戦」の中で王神の立像が関係するカード
- 鎖鞭のサイクロプス(Chainwhip Cyclops)
- カードナンバー250の平地(Plains)
- 次元を挙げた祝賀(Planewide Celebration)
王神の立像の関連記事
カードセット「灯争大戦」関連のリスト